クーリングオフできて50万返ってきたから
10万円でライティング企画!今回ははずみさんへのバトン!
私とはずみさんは、ラジオパーソナリティのオーディションにてご一緒してからの仲!
今回アクションいただきありがとうう!
では「音大生の日常」を覗いてみましょう。どん!
世間一般の音楽大学のイメージというと『のだめカンタービレ』なのだろうか?
出身大学の名前を出したときの相手の反応を見ると、どうやら”奇人変人が集う未知の世界”と思われているらしいことだけはわかる。
そのイメージを払拭すべく(?)
至って凡人の私が体験した”リアルのだめの世界(私立音大声楽科Ver.)”の何気ない日常をご紹介しよう。
あいさつは「誰門下?」
音大では、週に1回は必ず個人レッスンがある。
先生とマンツーマンのこのレッスンこそが、音大のメインと言っても過言ではない。
同じ学部でもつく先生はそれぞれ違うため、初めましてのあいさつに付け加わる質問が「誰門下?」だ。
「先生は誰?」と同意義である。
あまり大きな声では言えないが、相性含め門下の当たりはずれはある。
入ると”結節になる”と言われている通称・結節門下や、発音がなっていないからと1音も歌わせてもらえずにレッスン開始5分で追い出されるやべぇ門下など、黒い噂は絶えなかった。
ちなみに門下によって先輩たちから代々口頭で受け継がれてきた極秘の『先生攻略マニュアル』なるものが存在している。
必ずFAUCHONの紅茶をご用意しなければならない門下があったり、先生の好物であるやきそばパンが売り切れていて泣き崩れる友達もいたりと、なかなかの地獄絵図っぷりだった。
楽器を持っていない人…何科?
私は声楽専攻だったので、マイ楽器がなかった。同じようにピアノ科や音教(音楽教育学部)も楽器を持ち歩けない。
だが私たちは楽器を持たない人が何科か、お互いにすぐに見分けることができた。
ここで偏見にまみれた学科別の特徴を見てみよう↓
ピアノ科…あまり群れない。少人数か単独行動。レッスンの伴奏の付き添いがあるため、他の学科の子とのツーショットをよく見る。服装は綺麗めスカートが多い。ぱっと見は大人しくても実は気が強い子が多い印象。
声楽科…派手。よく言えば華やか。服装の系統の不一致で解散。同じグループとは思えない。とにかく笑い声がデカい。お口をチャックしてさえいれば…と言いたくなる残念美女だらけ。友達の友達は友達。
音教…私大の文系っぽい(気がする)。知らんけど。和気あいあいとした雰囲気でほっこりする。量産型。おんなじearth music&ecologyのワンピ、1日で5人以上見た。
風邪をひくと人権がない
社会人になって、風邪をひく人の多さにびっくりした。
歌は、特に身体が楽器ということもあり、なんやかんやでみんな気を付けていたのだと思う。二日酔いや雨で1限の授業に来ないヤツはいても、風邪で寝込む人は少なかった。
というのも、ちょっとでもゴホゴホしようもんなら「風邪?ちょっと近寄らないで」とあからさまに避けられるからである。
ましてや先生には、明らかに体調が悪くても「風邪をひきました」なんて愚かなことは絶対に言えない。
気力と薬で誤魔化してレッスンに行ったことも数知れず……あの時鍛え上げられたお陰で、未だに健康優良児(アラサー)だ。
それに万が一風邪をひいてしまっても、今はもう村八分されることはなくなった。人ってやさしいんだな。
試験前は禁酒
お酒は喉に悪い。お酒大好きな私が、家で晩酌する習慣を持たないのは、喉を守るためでもある。
それでも学生の頃は、毎週のように飲み会が開かれていた。
翌日がレッスンで飲めない子が誰かしらいるのが、歌科の飲み会の特徴だ。
他はドンチャン騒ぎして潰れるので、その中で素面でいるのは損な役回りだった。
そんな我々も試験1ヶ月前からはぴたりと禁酒をする。ストイックである。
そして晴れて試験が終わると、その夜はしこたま飲んでからカラオケで何時間も熱唱するという、喉に悪いフルコースをやるのが定番だった。
余談だが、煙草なんてもってのほかだ。吸っているのを目撃されると「あいつ終わったな…」と冷ややかな目で見られる。
モテない、いやほんま全然モテない
”音大生はモテる”という世界とは、私は無縁だった。他校との交流は一切なかったし、もちろん合コンなんてのもなかった。
しかも音大の8~9割は女性が占めている。かつ、男性も必ずしも恋愛対象が女性というわけではない。ぴえん。
逆を言うと、男性はかなりモテる。
ステージの上では3割増し効果というのもあってか、美女と野獣カップルがよく誕生していた。
モテたい男性こそ音大へ行くべし。
ガチのお嬢様はレベチ
よく音大卒ってだけで「お嬢様だね~」と嫌味を言われる。そりゃそうだ、学費が倍なんだから。
そんな音大を受験することに反対されなかった私は、今思えば決して恵まれていないわけではなかったし、親にも感謝している。
だがそれなりに苦労をして通学していた身からすると、何も知らずにお嬢様判定してくる輩には「ガチのお嬢様を見たことあんのか!あぁん?!」と言い返したくなる気持ちも正直ある。
ブランドもののバッグは標準装備、発表会がある度に10万円以上する上質なドレスを親に買ってもらうのが当たり前、東京に建てた別荘から学校へ通う地方出身の強者もいた。
中でも、門下の親睦会を早退した年上の同期(当時、既にアラサー)が言った「私、門限があるのでお先に失礼します」というセリフにはドン引きした。
まぁこれはお嬢様というか、ただの箱入り娘だが。
安くてありがたい食堂の1杯280円の中華雑炊に、70円の唐揚げを追加しても大丈夫かどうかでお財布に相談したことがない人のみを”お嬢様”と呼べ。
以上、いかがだっただろうか?
ライター:はずみ
国立音大歌科出身、遊び足りないソプラノ。クラシック一筋だった人生から一変、2021年4月よりピアノ弾き語りシンガーソングライターとして歩み始める。 元・書店員で、自他ともに認める活字中毒者でもある。”音楽×文学”をテーマに曲を手掛けたり、趣味が高じて投稿したエッセイが意外にも好評を得るなど、ジャンルレスに活動の幅を広げつつある。